ASH!!!
アオキこんにちは。
イワホリはい、こんにちは。
アオキ 本日は、クロストーク初のゲストをお迎えしております。ほら、ふたりだと最近愛に溢れた悪口ばっかりしか出てこないので(笑)。ご紹介いたしましょう、とても素晴らしいフリーペーパー&パーティを開催しているWONDERKINDより、Jくん!
J こんにちはー。せっかくお招きいただきましたのにあんまり寝てないんで、あんまりうまく話せないかも知れませんが。
イワホリいえいえ、僕らもいつも着地点見えないまま話してるだけなんで(笑)。
アオキ思いの丈を存分にお聞かせいただければ(笑)。
JASHが"Twilight of the Inocents"を発表して、「ファイナルアルバム宣言 *1」をしたのと、レディオヘッドの"IN RAINBOWS"って同じ2007年なんですよね。

イワホリそう、夏の終わりくらいまでは「ASHが傑作出したので今年はもうこれでいい!」って言ってた。
アオキ 10月初旬にレディオヘッドの告知が出たせいで「朝霧行きたくない」とまで言ってたもんね。
イワホリそうそう(笑)。
アオキ

改めてAtoZに関するエントリを読んでて気がついたんだけど、AtoZシリーズが始まる時の記事に、ホリは「7inchとDL販売のみの仰天のリリース形態」って書いてる。

イワホリああ、そうだね。一年経った今となってはすっかりスタンダードだけど。
Jイメージとしては、レディオヘッドより早かったんですよね。
イワホリそう。その気満々だったのに、突然レディオヘッドに出し抜かれた、みたいなかんじでムカついてたんじゃない?(笑)
J(笑)。でも、レディオヘッドは「もう無料でもいいし、好きな値段決めてくれればいい」ってやったのに対して、ASHはそれをやらなかった。そういうスタンスがとてもASHっぽいなって思っていて。
イワホリ「シングルを二週に一度切る」っていうのは、Jackson Vibeみたいだよね。
アオキ 「くうちゃんに負けるな! *2」ってオビついてた、あれ(笑)。
イワホリああ、倖田來未が1年連続リリースやってたんだっけか。そういうアイドルみたいな人たちだったら、連続リリースもあり得るだろうけど。それをシンガーソングライターである彼らがやるってのはすごいよね。途中でへこたれるかと思ってた。
アオキ「ごめんなさい!」って?(笑)
イワホリ締め切りに間に合わないことがあるんじゃないか、とか正直思ってたけど、最初に出たトレイラーがすでに曲のカットアップみたいなものだったから「えっ、できてるんだ?!」って驚いた。
Jなんというか、「その場の感じでやっちゃおうぜ」っていうんだったら一週間で出来るだろうし、本腰入れてやるのなら一ヶ月でもよかったんじゃないかと思うんですよ。二週間っていうのはまた微妙ですよね。本気出してやらないとできあがらないだろうし。その辺「わかってるなあ」って思った。
アオキまつきあゆむくんが一週間に一曲出すっていうのと、ちょっと違うもんね。あれは完全に筋トレというかドキュメントだからね。フリーだし。
イワホリそうね、売り物を二週間ごとに整えて出すことが出来るっていうのはすごい。
Jしかもその間に全アルファベットの街を回る"AtoZツアー"とかやってるし。
アオキあれはねえ、もう、バカだよねえ(笑)。誰か止めなかったのかっていう。
イワホリヴェニュー探しも相当楽しかったよね、あれは。「Xあるよ!」「マジで!」みたいなさ(笑)。「LONDONはベタだから他のLにしようぜ」とか言ってる、きっと。…ああ、桃鉄じゃねえ?「ティムさん、ダブリンの本社がピンチです!」
アオキうははははははは!
イワホリ あの地名シリーズツアーのポスター、うちにあるよ。サイン入り。
J地名見てもホントどこだかわかんないですよね。
イワホリ地図見たよね(笑)。
Jいくら人気バンドとはいえ、ASH知ってるひとがこんなちいさな街にはいるんだろうか、とか心配しましたよ。
イワホリツアーの写真見た?ホントにちいさなパブみたいなところでも演奏しててびっくりした。グラストのピラミッドステージを飾るような人たちが(笑)。今は完全にインディペンデントなわけだからね、彼ら。
アオキいいよねえ。
イワホリあの、得意げなロゴといい。
アオキ「得意げ」って(笑)。
イワホリ だって、「atomic heart *3」だよ?ミスチルだぜ?
Jですよね…。
アオキそれはさ…、言っちゃダメ!この世代の人間はそれを言っちゃいかんよ。
イワホリいたいけなこの世代の日本人はみんなそう思ったはずだぜ?
アオキ「なんで初回限定盤は青のクリアケースじゃないんだろう」って?…ひどい(笑)。

イワホリでもさ、実際この一年楽しくなかった?
Jそうですねえ。本当にずっと「次はどうなるんだろう」って期待してたし。終盤に行くに従って流れを考えてるなって思ったんですよ。最後の二曲の流れとか、ちょっとすごいなと思って。
イワホリ「キマりすぎだろ」と(笑)。
アオキちゃんとかっこよく終わらせようとしてるんだよな、ってわかったよね。
Jそう、それが最初から考えてたのか、途中でだんだんそうなっていったのかはわからないですけど。ちゃんとトータルで作品になったなあ、って。
イワホリVol.1/Vol.2という風にCDになったけど、半分作った時点でやっぱり考えたんだろうね。
J"Y"の時に「インストなんだけど次大丈夫かな?」って気分になったりとか(笑)。どうなるのかな、って話してたら、最後に「希望」ですよ。
イワホリ「うおおおおっ」って(笑)。
アオキ(笑)。
イワホリそれってもう連ドラだよね。「来週クライマックス!」みたいな。
J昼ドラにハマる主婦の気持ちがわかった(笑)。
アオキ二枚目の方がアルバムを聴いてる気分になるのよね。
イワホリiTunesでスマートプレイリストを作ってたんだけど、だんだん曲が増えていく感じがよくてさ。夏休みのラジオ体操みたいに、ひとつずつ集めていくのがよかった。こういうのを一年ちゃんと全部続けるって、もちろん作る方も大変なんだけど追いかけている側としてもやりきった感があったなあ。まあ、ただ届くの待ってるだけなんだけどね。
Jホントそうですよね。
イワホリ日曜の夜にDLできるようになってたんだけど、体内時計できてたもんね。「あ、そろそろかな」って。
Jその曲が届いた頃に自分が何してたか、とか覚えてます?
イワホリもちろん。そういうのとリンクしちゃうよね。「あのアルバムを聴いてた時の僕らが…」っていうのとおなじように、もっと短いスパンで曲に記憶が詰まってる。
アオキこの一年のカレンダーみたいだよねえ。
イワホリ実際、「今週は新しいのを聴く週」みたいになってたしね。好きな曲も、そうじゃない曲ももちろんあったし。これさ、ちゃんと最初から最後まで届くのを楽しみにしてた人ってどれくらいいるんだろう、って途中ちょっと不安になったんだよね。7inchは1000枚限定っていうけど。
アオキ確かに。ちょっとぐぐってみたくらいだと、全曲について書いてる人って見当たらないよね。こないだ、ユニオンで中古が売ってるの見てちょっと嬉しかったんだよね。「ちゃんと流通に乗ってるんだ!」って(笑)。
Jでも、CDがリリースされたタイミングだとタワレコのチャート1位になったりもしてるんですよね。ライヴのチケットもちゃんと売れてるし。
アオキ聴いてる人はちゃんと聴いてるのだろうけどねえ…。

イワホリラインナップが全部揃ってから、通して聴いた?
J聴きましたよ。最初のうちは新しいことやろうとしてて、一曲ずつ初めて聞いた時とあんまり印象は変わらなかったんですけど。だんだん、新しいことはもちろん「僕らこんなメロディ書いてたよね?」って思い出したようになってきて。
イワホリいわゆる「ASH節」ってあるじゃない?その存在を改めて感じた。
Jすごくエレクトロっぽい曲でも、サビになれば「ああ、ASHだ!」って思うような。
イワホリインストでさえもちゃんとASHになってるし。これ、気持ちよかったんだろうなーって思う、ティムが。これ、ライヴでやるのかね?
アオキ今回このタイミングでやらないと、二度とやらなそうじゃない?
イワホリ そうそう、"Y"だけAB両面収録 *4 なんだよね。
アオキあ、そうなの?
イワホリちゃんと見なさい、っていうか聴きなさいよ!
アオキ あわわ、ごめん(笑)。
J全部揃った今、AからZまで全部かけるASH Nightとかやらないんですか?
イワホリそれはねえ、ひとりでやりたい(笑)。前家でやったんだけど、これ全部かけると3時間くらいかかるんだよね。
J次に何がかかるかみんなで予想して。イントロクイズみたいに。
アオキわかったらその7inchあげればいいんじゃない?
イワホリ わはは(笑)。でも、この7inch金かかってるんだよね、ちゃんと。両面普通に曲を入れるよりもロゴカッティングするほうがコストかかってると思う。そして、この1年の円高といったら!Amazonで見てると最初1130円くらいだったんだけど、最後は800円台まで下がってたからね。まあ、一年あれば為替も変わるよね。しかしASH追いかけて世相まで見えてくるとはねえ。
J 確かに。
アオキ 言われてみればそうだよね。一年タームで海外のものを買い続けることなんてこと、あんまりないよね。
イワホリさて、じゃあそろそろ順番に並べてドラフトの準備に入りますか?
アオキ よし。その前にお茶のお代わりを淹れましょう。

(次回、ついにドラフト会議スタート!)

 

エキシビジョン名物、イワホリの脚注。余談多し。

*1 ファイナル・アルバム宣言
2007年6月、傑作アルバム「Twilight of the innocents」発売を目前に控え出演したワイト島フェスティバルにて『次の曲は、僕たちのファイナル・アルバムの最後の曲』とMCにて発言し世界中のASHファンの動揺を誘った。のちに解散ではなく、従来とは違った形の制作、リリースのやり方を模索していることを説明。ファンひと安心。---この件をきっかけに、われわれはTim Wheelerの事を「おいこら、ティム男!」と呼び習わすことになったのでした。(aok)

*2 「くうちゃんに負けるな!」
A-nationの稼ぎ頭、倖田來未が2005年12月〜06年2月にかけて行った12週連続シングル・リリース。当時はそんなことが行われていたことすら知りませんでしたが、2007年にJackson Vibeが6ヶ月連続シングル・リリースを行った時は帯にでかでかと「お手本は、くうちゃん」とリスペクトが示されていたのでした。親日家のティムも、くうちゃんを聴いていてAtoZの構想を思いついたのかも。。。 ---ちなみにこの「浪漫PEOPLE」、カップリングは小沢健二/ラブリーのカヴァー!原曲とは比べものにならないやんちゃっぷりが好ましい名カヴァーです。(aok)

*3 Atomic Heart
ミスチルことMr.Childrenの人気を決定づけた、90年代を代表するモンスター・アルバム。"OVER"大名曲。---トータルセールス400万枚を越える大ヒット作ですが、うちにあるのは初回盤。世間知らずだった少年時代でした。ははは。(aok)

*4 Yだけ両面
後述のとおり、レコードは一枚につき一曲収録で、通常B面曲が収録される裏面には、Atomic Heartのロゴが刻まれているが、Y"Sky Burial"だけは曲が長過ぎるためにpt.1/ pt.2と全後半に分けられ収録。

 

001 - AtoZシリーズを振り返る 2010-11-23
002 - ドラフト会議 1〜3巡目 2010-11-25
003 - ドラフト会議 4〜7巡目 2010-11-27
004 - 最終指名、そして残る二枚。 2010-11-29
005 - おれとおまえと、アッシュ。 2010-11-30

(c) 2007-2010 exhivision all rights revered.