005 Our Music, Our Town.

2007.11.28

イワホリ:寒いね。
アオキ:うん、さむいです。珈琲のよいかおりを漂わせつつ、はじめましょうか。今月は「音の棲むところ」とでも言うか、同じ街からジャンル的に近しい音楽が生まれるのはどうしてか、という話をしようと思ってさ。
イワホリ:「ご当地ミュージック」?とも違うか。言い方むずかしいな。
アオキ:いわゆる「ワールドミュージック」という大きなジャンルのくくりではなくて、具体的な地名をあげるなら、グラスゴー、マンチェスター、リヴァプール、とか。モータウン≒デトロイトとか。街の名前が、ある程度音楽のジャンルとして成立しうるのはなんでや、と。
イワホリ:モータウンはレーベル名だけど、ま、デトロイト=自動車の街、モータータウンってことね。ええと、例えば沖縄音階みたいにさ、形式としてもう特殊な地域性を持っている音楽ってあるわけじゃない?
アオキ:うん。それはもう、民謡の類いに近い。
イワホリ:あとはスカやレゲエといった、ジャマイカン・ミュージックに特徴的な、裏打ちのリズムとか、そういう手法や形式に見られる地域性、の問題とは違うのよね、ここで話したいことは?
アオキ:そう、それではない。ま、そのトピックは世界史をたどるようにして、一度追ってみたくはあるんだけど、最近気になるのは「街が音楽をつくる」っていうこと。よく、レビュー記事に「さすがグラスゴー出身、このメロディセンス!」とか書かれてるじゃない?
イワホリ:うん。
アオキ:あの街の音楽教育が素晴らしい美メロを育てるもの、ってわけじゃないはずなんだけど、確かにそういうイメージはあって。じゃあ、あの街にはいったい何があるんだ、と思うわけです。

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グラスゴー / Glasgow, Scotland

イワホリ:なるほどね。たとえばUKロックとかひとくくりに言っても、地域毎の特性があるはずだと。じゃあさ、例えばグラスゴーって言われて真っ先に思い浮かぶのって、何?
アオキ:Aztec Camera, Belle and Sebastioan, The Pastels!
イワホリ:おっしゃれー!(笑)
アオキ:でしょー?そういうイメージ、あるのよ。時代が下れば、Teenage Funclub, Travis, Franz Ferdinadとかもいて、こっちはこっちでまた違うかんじなんだけど。
イワホリ:愛しのボビー・ギレスピーのプライマルは?
アオキ:ああ、そうか。プライマルは、アオキカテゴライズだとマンチェスターにはいってる。
イワホリ:Screamadeliaがでかいか。。。
アオキ:いや、Sonic Flower Grooveが暗黒史ってわけじゃないんだけど(笑)。
イワホリ:じゃあグラスゴーを定義づけるのって何よ?
アオキ:なんだろね、きらっきらしたセミアコの音と、幼なじみで仲の良さそうなメンバーとか(笑)。
イワホリ:いわゆるネオアコな音は確かにスコットランドから来てるかもね。
アオキ:そう。たかだか人口60万くらいの都市に、ある一定の音のイメージが持てるってのはちょっと面白いと思うのよね。
イワホリ:例えばアズテックとかだと、ポストカード・レーベルだっけ?とかレーベルだったり、対バン同士だったりっていうコミュニティがあったんだろうねー、やっぱ。
アオキ:うん。
イワホリ:で、横の繋がりもあれば縦の繋がりもあって、時代へ。。て感じなのかな。モグワイみたいな突然変異もいるけど(笑)。
アオキ:AC/DCのギタリストはふたりともグラスゴー出身だけど(笑)。
イワホリ:オーストラリアって、スコットランド系移民多いんだよ。だから、サッカーチームのセルティックのファンとか多くて、中村俊輔がやたら人気あるっていう(笑)。
アオキ:あはははは(笑)。
イワホリ:で、ええと、中村の話がしたいんじゃなかった、ひとついい話があってさ。最近のグラスゴーが生んだ大人気バンドとして、フラテリスがいるじゃない。
アオキ:はいはい。
イワホリ:セルティックの試合でゴールが決まると、5万人の観衆がフラテリス大合唱すんの(笑)。
アオキ:うはははははははは!
イワホリ:あのね、サマソニの千葉マリンなんて目じゃないぜ(笑)。
アオキ:ぱらっぱぱぱーらーらー♪って?
イワホリ:あ、それじゃない(笑)[ YouTube ]。これ見てみ?ホント、地鳴りだから。
アオキ:えーと。。。あ、ようやく何の曲だかわかった。地鳴り過ぎ(笑)。
イワホリ:絶対、フラテリスのライブよりも歌ってるっつう。
アオキ:おらが街のヒーローだよなあ、ほんと。
イワホリ:。でしょー、サッカーファンの応援歌としても、地元アーティストが使われるの。ホント、地域に根ざしてるんだなーって感じはする。

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マンチェスター / Manchester, England

イワホリ:グラスゴー以外に、地域性を感じる音楽ってある?
アオキ:マンチェスター、はグラスゴーとはまたちょっと違う感じがするんだよね。ちょうど今月号のMUSICAにピーター・フックのインタビューが載ってたけど、あの街の人は、ちょっと怖い(笑)。
イワホリ:あっははは!圧倒的に、ワルだよね(笑)。マンチェの場合、昔っからの工業都市だし、腕っぷしと酒は強そうだ。
アオキ:そうそう。
イワホリ:ここはそれこそ、縦の線がよりくっきりと見えるよねー。ジョイ・ディビジョン〜ニューオーダー→ストーン・ローゼス→オアシス、みたいな。
アオキ:うん。その真ん中にハシエンダがあって。いろんな人を引き込む場所があって、ムーヴメントが生まれて、ってのがよくわかる。
イワホリ:うんうん。廃墟とか多かったみたいだし、群れやすかったんかね。
アオキ:なんだろう、本牧みたいなイメージがあるんですが(笑)。
イワホリ:はは!案外近いのかも。でも、オアシスがブラー毛嫌いしてたのとかも、やっぱ、「このロンドンのボンボンが!」みたいな気持ちってやっぱあったと思うんだ。地域性というよりクラスの問題もあるかもしれないけれど、でもやっぱ経済格差って、生活圏に属する問題だしさ。
アオキ:うんうん。
イワホリ:同じロンドンでも、やっぱイースト・サイドと、HARD-FIを生んだステインズの郊外とでは違うし、ジョン・レノンにしたって、やっぱ港町リバプールの片田舎で伯母さんに育てられた境遇がなけりゃ、「ワーキング・クラス・ヒーロー」なんて歌えなかったと思うんだ。
アオキ:The Enemyだってそうだよね。ハタチちょっとで、こんなバンド名をつけて、1st albumから "俺たちはこの街で生まれ、そして死んでいく"って歌うってのは、コヴェントリーていうかつての輝きを失ってしまった工業都市の状況があってこそだと思うし。
イワホリ:うんうん。だから、安易に「UKロック」とか「北米インディ」とかって括るのは危険だよ、っていうことかな。

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カーディフ / Cardiff, Wales

アオキ:こないだ、カーディフというか、ウェールズの話もしてたじゃない?
イワホリ:したっけ?
アオキ:聞いたよ、Super Furry Animalsの話してた時に。
イワホリ:ごめん、覚えてない(笑)。。。。ええと、じゃあ、全然関係ない話するけどさ、イギリスの国旗って?
アオキ:ユニオンジャック!
イワホリ:あれってどうやって出来てる?
アオキ:ええと、それぞれの国の旗を組みあわせてるんだっけ。
イワホリ:それぞれって?
アオキ:うーん、イングランドとスコットランドと、アイルランド。…わ!
イワホリ:うん。そう、ウェールズは英国連邦に入ってるけれど、その旗であるユニオンジャックに、ウェールズ国旗の要素って、含まれてないの。
アオキ:へええ。
イワホリ:俺も英国研究者じゃないからあんましっかりしたことは言えないんだけれど、ウェールズの人って、確かにイングランドの支配を受ける身分にはなったけれど、決して自分達のアイデンティティを失ってはいないんだよ。
アオキ:。。。って話を聞いたんだよ!そんとき(笑)。
イワホリ:ははははは!俺偉い!
アオキ:エラいけど。。。エラいけど、ちょっと老後が心配(笑)。
イワホリ:(笑)。だからファーリーズみたいな、それこそ1人万国博覧会なサウンドって言うのも、決して自分が無いからではなくて、自分のアイデンティティっていうものを持っているからこそ、色々な文化を相対的に捉えられている結果なのかなぁ、みたいな話をした、そうだそうだ。ああよかったぶれてない。
アオキ:うんうん。とても華やかで、ごった煮な。ロス・カンペシノース!とかも、そういう雰囲気があるよね。…ってワタクシが言ったのは思い出した?どちらもカーディフの出身だけれど。
イワホリ:うん(笑)。
アオキ:よかった(笑)。
イワホリ:だから、そういう旗のもとに生まれた人が、ああやってパワーレンジャーのお面被って、すっごくスウィートなメロディーで「手の内を見せろ」って歌ってるって、もの凄く倒錯してるでしょ?[YouTube;Super Furry Animals - Show Your Hand ]
アオキ:ああ、うん、そう考えるとすごいことだね。
イワホリ:その過剰さがファーリーズの魅力だし、逆にメインストリームになりきれないところだと思うんだけれど。でも、大好きです。 

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東京は夜の七時 / Shibuya and Shimokitazawa, Japan

イワホリ:話の方向をぎゅーっと変えて、我が国ニッポンですが。
アオキ:ええ。行ったこともないイギリスのことをここまで饒舌に語れるわたくしたちなんですが。行った事ないよね?
イワホリ:ないよ(笑)。
アオキ:国内になると、かなり舌鋒がにぶるんですよ(笑)。
イワホリ:果たして渋谷系に地域性はあったのか?
アオキ:下北沢に地域性はあったのか?
イワホリ:どーなんだろ、実際、シーンの中にいたことがないのですが。
アオキ:まあ、下北沢に関しては生き証人を名乗ってもいいとおもうんですが(笑)。シーンとしては、確かにその街ならではのにおいがあったと思うのね。でも、それって「街が引き寄せた」結果であって、土着のものではなかった、と思うのよ。
イワホリ:んー、違いがよくわからん。
アオキ:ええとね、ギターロック/ポップを志すワカモノはみんな「下北沢」を目指すのよ。
イワホリ:ああ、生まれ育ちではないってこと?
アオキ:そうそう。「郡山は日本のグラスゴーだ!」なんてこないだも書いたけれど、郡山にはそういうバンド同士がつながる土壌がないのよ。みんな下北沢のライヴハウスで演ってて、下北沢の居酒屋の打ち上げ参加者、半分が福島県民だったり、とかさ。
イワホリ:んー、だって自分も週末は下北沢行ってたんでしょ?(笑)
アオキ:うん、だって地元でやんないんだもん(笑)。
イワホリ:郡山ー東京って何キロくらい?
アオキ:所要時間的には、沼津ー東京の倍。
イワホリ:したら、200キロくらいか。グラスゴーとロンドンよりは近いぜ?(笑)
アオキ:お(笑)。
イワホリ:まぁ、全体で言うとイギリスの方が国土狭いけどさ、日本の場合、東京が余りにデカ過ぎて、関東のユースカルチャーって全部東京でひとまとめになっちゃうんじゃないか、ってきらいはあるかな。
アオキ:うん、そんな気はする。関東どころか、日本ぜーんぶがひとまとめになっちゃうような気さえする。
イワホリ:良くも悪くもね。だから、「下北沢=ギター・ロックの産地」っていうのは決して誤りではないと思うのよ、実際。だから、なんだろ…「田舎富士」みたいな感じ?全国各地の富士山っぽい山が、富士って名乗ってんじゃん(笑)
アオキ:わ、ひどい。本物のお膝元だからって!
イワホリ:(笑)。まぁそれは半分冗談だけれど、潜在的故郷としてのギターロックの産地として「下北系」という名称があって、それが地方で芽を育て、またそのバンドを下北へ向かわせる…ていうのはあると思う。
アオキ:聖地巡礼、みたいだ。
イワホリ:多分それはもう2世代くらい上の人々にとっての渋谷であり、もっと言えば、風街であったりするんだろうけれどね
アオキ:うん。

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イワホリ:曽我部さんの処女随筆集「昨日・今日・明日」って知ってる?
アオキ:ん、しらない。
イワホリ:その本の帯を書いているのが松本隆さんで「曽我部くんが言葉に息をふきかけると、70年代の渋谷の街に僕らは立っている」っていうような感じので。…なんで「感じ」っていうかというと、俺、それを海外旅行に持っていって、行きの飛行機に置き忘れて無くしたからなんだけれど(笑)。
アオキ:お、まさに生きるbookcrossing! 行きでなくしちゃダメよ(笑)。
イワホリ:そう、風街をバンコクにまで吹き込ませて、、、ああくそっ(泣)。ていうのは冗談としても、でも、満員電車も商店街もない茨城の片田舎に住んでいた俺のような学生でも、下北沢や渋谷の街の空気を、ちょっとでも吸った気になってたもんなぁ。
アオキ:ピチカート・ファイヴのうたう「東京」の情景が、現実の東京からすこし乖離してるのも彼らが「東京に来たひと」だからかなあ。ピチカートに限らず、サニーデイ時代の曽我部さんにしたって同じだけれど、
イワホリ:シャ乱Qの「上京物語」しかり。
アオキ:やっぱり東京って、でっかいんだよなー。
イワホリ:そう。良くも悪くもね。ま、日本でもくるりが地元京都に立ち返って、「みやこ音楽祭」や「京都音楽博覧会」みたいな地域性の高いフェスが開催されたり、それと同時に昔から活動する京都のアーティストをプロデュースしたりさ。
アオキ:ええと、青森のあれ、なんだっけ?
イワホリ:ああ、「夏の魔物」?
アオキ:そうそう。「ジャンル」ってくくりではないけれど、フェス不毛の地において「見たいバンドは自分で呼ぶ!」ってのを、19のワカモノがやるっていうのはすごいワクワクするよね。
イワホリ:アツいよねえ。あと、「福岡市博多区から参りました」なんてMCが印象的だったナンバガがさ、ラスト・ライブを札幌で行った時に、「ブッチャーズやイースタン・ユースを生んだこの街で最後のライブをやれるのは、光栄」的なことを言ってたりさ。露出の大小はあれど、音楽シーンのある街、てのはあると思うんだ
アオキ:うん、得意分野ではない小さいシーンって、なかなか見えないからねえ。
イワホリ:さっきの東京がでかすぎる、て話なんかがまさにそうなんだけれどさ。でも、まぁ重要なのは、下北系、ていっても大衆的にはマイノリティだっつう(笑)。
アオキ:ええ(笑)。柏ハードコアのほうが有名なんじゃないですかね。
イワホリ:だから、ま、どっから情報拾ってくるか、てことなんだろうけどね。ファッション界みたいに渋谷原宿から代官山、中目黒、今度は吉祥寺、みたいに夜逃げみたいにころころ中心移していくのもやだけどね(笑)。
アオキ:夜逃げ!(笑)ま、でも、なんでも東京っていうのも面白くないよなあ、とは思うのよね。地元をあっさり離れて戻らない自分が言うのもなんですけど。
イワホリ:まぁね(笑)。でもま、東京の半分は田舎もんだしさ。

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Where the street have no name / 名もなき街角から

イワホリ:これ以上風呂敷広げすぎてもホント着地のしようがなくなるから(笑)今日はこの位にしておこうと思うんだけれど。
アオキ:ええ。本当に後半は切れ味が悪くなりましたけど(笑)。
イワホリ:そりゃ、だってよくわかんねえもん(笑)。
アオキ:なんで海の向こうのことはあんなによくわかるんだろうねー。
イワホリ:そりゃ、背景がしっかりしているからじゃん?
アオキ:情報が手元に届く時点で、ある程度整理されてるっていうものあるんだろうね。
イワホリ:そうそう。
アオキ:myspace大流行!つったって、やっぱり主たる情報源は洋楽誌だったり、視点の定まったニュースサイトだもんね。
イワホリ:これは今日言っときたいんだけれど、メディアの問題ってのは大きいよね。例えばNMEは、"NME Radio" と銘打って自分の雑誌で推してるアーティストの楽曲をHPで流してるし、国営放送のBBCなんかでも、"RADIO SCOTLAND"っていうスコットランド専用のチャンネルがあって、そこではそれこそ、グラスゴー系のアーティストを中心にプレイするプログラムなんかもしっかりあって、それをネットラジオで、もちろん日本でも聴ける。
アオキ:ふむふむ。
イワホリ:気になった名前をサーチするのってマイスペとかだけれど、その前段階でどんな音楽が今きかれてるのかな、て探す時にはネットラジオはすごく重宝するし。
アオキ:ラジオねー。国内において、音楽を紹介するって意味ではすっかり勢いのなくなったメディアだ、と言ったら言い過ぎかしら?
イワホリ:権利関係の問題があるから一言では言えないんだけれど、ネット・ラジオが定着しなかった、ていうのは日本の残念なところかな。イギリスだと故ジョン・ピールが余りにも有名だけれど、ちゃんとDJ毎にプログラムのページを持っていたり、プレイリストを公開してたりするからね。そこを日本では、「見えるラジオ」とかに行っちゃったから(笑)。
アオキ:DJのことを「パーソナリティ」なんて呼び方するけど、原義通りパーソナリティ全開のDJって、今のあんまり痛いよね。
イワホリ:日本でも iRadio とか、わりと面白いプログラムもあるんだけれどね。
アオキ:あ、懐かしいなー。昔ハルコめあてでよく聴いてた。
イワホリ:ま、DJ批判をしたいわけじゃないので(笑)要は、見えていないシーンというか、メジャーな手段やメディア以外にも、耳を傾けるところはいくらでもあるんだよ、ていうのを改めて、意識しないといけないな、と。
アオキ:うん。どこに目を付けるかでまったく違うものが見えるはずだからねー。ネットは広大だわ。。。

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イワホリ:さっきのファーリーズの話にしても、いかに我々のイメージするUKロック、がイングリッシュロックになってしまっているかの象徴みたいな話でさ。もっというと、ブリット・ポップに夢中になっていたころ、ファーリーズの名前をちゃんと目にすることができなかった不幸というか。
アオキ:ああ、確かにね。あんなにキャリアの長いバンドなのに、知ったのつい最近だもん、わたくし。アイリッシュ - イングリッシュのバンドって、それこそブリット・ポップの時代からずっとよく知ってるのにね。
イワホリ:それって明らかな、イングランド中心主義で。
アオキ:うんうん。
イワホリ:だから、「リヴ・フォーエバー」を純粋に90年代後半イギリスの全て、と言い切ってしまうことの危険性ってのはあると思う。
アオキ:こういうのって、メディアお得意の「名付けてくくる」ことの悪影響なのかな。商業的な意図があるかないかはともかく、系統立てて紹介する事で新しいシーンが見えてくることも、多々あるけれど。「ニューレイヴ」なんてまさにそうだし。
イワホリ:そうそう。だから今回のクロストークの焦点はまさにそこにあって、「ロックに何故地域性があるのか」というより、「ロックの地域性は何故見え辛いのか(一部の地域を覗く)」なんだよね、多分。
アオキ:なるほどな。どんな街からも、あらゆる音楽は生まれてるはずだしね。「歴史は編集者によって作られる」って名言はここでも生きるか。

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アオキ:さてと。ちょっとスッキリした気はするけど、結局は話を広げっぱなしだね。今回はたたまないまま終わりにしようと思うんですがどうでしょう(笑)。
イワホリ:いいのいいのその方が!俺たち権威でもなんでもないんだから!
アオキ:メディアとかネットの話は、まだどっかで広げたいなー。と勝手に予告をして、今月はこの辺で。
イワホリ:俺、また同じ話するよ、多分(笑)。
アオキ:何度でも同じ話聞きますよ、この際(笑)。


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